みんなのダーツ計算機

コラム | データで見るダーツ

2026年10月16日

ハンデ戦で格下が勝つには?CPU同士の20万試合で分かった、クリケットの作戦

前回の記事「同じ腕前なのに勝率7割?」では、同じ強さのCPU同士でも、作戦が違うだけでクリケットの勝率が大きく変わることを紹介しました。

今回はその続きです。実力差がある2人がハンデ戦をする時、格下と格上はそれぞれどう戦うと勝ちやすいのか。CPU同士のハンデ戦で調べてみました。

まず分かったこと:このサイトのハンデは、ほとんど効いていなかった

調べ始めてすぐ、作戦より先に大きな問題が見つかりました。これまでの、みんなのダーツ計算機のクリケットのハンデは「レーティング差2ごとに1マークを、20番から順に付ける」という簡易的なものでした。

これでCPU同士を戦わせると、レーティング6とレーティング12の対戦(ハンデ3マーク)で、格下の勝率は4%から5%に上がっただけでした。

理由は、前回の記事と同じ「15ラウンドの時間切れ」です。もらったマークが20・19・18に1つずつ散らばるので、どの番号も開いていません。点数勝負になりやすいクリケットで、点につながらないマークは、ほとんど効き目がなかったのです。

そこで、ハンデをDARTSLIVE2の公式のハンデ表(オートハンデ)に合わせて作り直しました。

DARTSLIVE2のクリケットのハンデ

  • マーク:18→17→16→15の順に、1つの番号につき最大2マークまで付きます(開けきりはしません)。
  • 得点:レーティング差1ごとに8点。差が9以上になると、そこからは1ごとに24点です。
レーティング差もらえるマークもらえる得点
318に2、17に124点
618・17・16に2ずつ48点
818・17・16・15に2ずつ64点
1018・17・16・15に2ずつ112点

2マーク付いた番号は、あと1マーク入れれば開きます。最初から「得点のリード」と「すぐ開けられる番号」の両方をもらえる形です。

結果:格下は「守り」がいちばん勝ちやすい

前回と同じ3つの作戦(稼ぐ作戦・攻め型・守り型)で、格下と格上の作戦を総当たりで組み合わせました。まずは、格上が「稼ぐ作戦」で来た時の、格下の勝率です。

組み合わせ(ハンデ)格下:稼ぐ格下:攻め格下:守り
Rt6 vs Rt9(3マーク・24点)20.1%20.6%32.8%
Rt6 vs Rt12(6マーク・48点)5.9%12.4%22.6%
Rt9 vs Rt15(6マーク・48点)10.9%21.1%34.2%

どの組み合わせでも、格下は「守り」を選んだ時がいちばん勝っています。Rt9とRt15の対戦では、稼ぐ作戦の10.9%に対して、守りなら34.2%。3倍以上です。

なぜ「守り」が効くのか

ハンデ戦の格下は、試合開始の時点ですでに得点でリードしています。あとは、そのリードを逃げ切れば勝ちです。

ところが、格上は狙いが正確なので、自分の番号を開けるとどんどん点を稼いできます。そこで格下は、相手が開けた番号をすぐ閉めて、相手の得点源をつぶしていく。こうすると格上は点を伸ばせず、最初のリードがそのまま残ります。

反対に、格下が自分も点を稼ぎに行くと、精度の差でじわじわ抜かれてしまいます。「点の取り合い」に付き合わないのが、格下のコツです。

格上は「稼ぐ」で、守りに付き合わない

今度は格上の側から見てみます。格上がそれぞれの作戦を選んだ時、格下がいちばん良い作戦で来たら、格下はどこまで勝てるか(=格上にとっての最悪のケース)です。

組み合わせ格上:稼ぐ格上:攻め格上:守り
Rt6 vs Rt932.8%42.3%40.7%
Rt6 vs Rt1222.6%26.3%36.3%
Rt9 vs Rt1534.2%39.2%48.9%

数字は格下の勝率。低いほど格上にとって安全です。

格上は「稼ぐ作戦」がいちばん安全でした。開けた番号でどんどん点を取り、ハンデの得点差を早めにひっくり返してしまう戦い方です。

逆に、格上まで「守り」に回ると、Rt9とRt15の対戦では格下の勝率が48.9%、ほぼ五分になりました。お互いに閉め合う展開になると、精度の差が点数に出にくくなり、最初にもらったハンデがそのまま効いてしまいます。

ハンデを直して、どれくらい変わったか

組み合わせ(格下:守り、格上:稼ぐ)前のハンデ新しいハンデ
Rt6 vs Rt127.6%22.6%
Rt9 vs Rt1511.2%34.2%

前のハンデ(マークだけ)では1割前後だった格下の勝率が、新しいハンデでは2〜3割台まで上がりました。作戦次第で「格上も油断できない」勝負になります。

ただし、レーティング3と9以上のように、差が6以上あって、しかも格下がまだ番号をなかなか閉めきれない段階だと、ハンデ表どおりでも格下の勝率は1割未満でした(Rt3 vs Rt9で、守りでも最大8.8%)。そもそも15ラウンドで閉めきる力が足りないと、守りの作戦も取りきれないためです。

家でのハンデ戦に使うなら

  • 格下側:ハンデの得点リードを守る意識で。相手が番号を開けたら、点を稼ぐより先に閉めに行く。
  • 格上側:守りに付き合わず、開けた番号でしっかり稼いで、早めにハンデの得点差をひっくり返す。

お互いがこの作戦を知っていると、ハンデ戦は「格下が逃げ切るか、格上が追いつくか」の駆け引きになります。

この結果を読むときの注意

  • CPU同士のシミュレーションの結果です。ダーツのブレ方は計算上のモデルで、人間の試合の結果そのものではありません。
  • 試合のルールは、みんなのダーツ計算機のクリケット(15ラウンド、閉めきれなければ点数の多い方が勝ち)で計算しています。
  • ハンデの数値は、DARTSLIVE公式の「オートハンデについて」(2015年11月2日現在の情報)のDARTSLIVE2の表に合わせています。

ハンデ機能を使ってみる

みんなのダーツ計算機のハンデ機能は、2人対戦のクリケット・01で使えます。今回の結果を受けて、DARTSLIVE2の公式表どおりのマークと得点が付くようになりました。家族や友達とのハンデ戦で、今回の作戦を試してみてください。

集計方法:レーティング3 vs 5、6 vs 9、3 vs 9、6 vs 12、9 vs 15、3 vs 15の6つの組み合わせで、格下・格上の作戦(稼ぐ・攻め・守り)を総当たり。ハンデあり・なしそれぞれ各2,000試合(先攻・後攻は交互)。合計216,000試合。2026年10月14日に計算。

出典:DARTSLIVE「オートハンデについて」(PDF)

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