コラム | データで見るダーツ
2026年10月14日
みんなのダーツ計算機のCPU対戦に、「攻め型」「守り型」などのタイプを追加しました。その調整中に、少し意外なことが起きました。
狙いの正確さがまったく同じCPU同士なのに、クリケットで片方が7割近く勝ってしまうのです。1ラウンドで取るマーク数(MPR)も、両者ほぼ同じでした。違うのは「何を狙うか」という作戦だけです。
なぜこんなに差がつくのか。CPU同士を合計6万試合戦わせて調べてみました。
どのCPUも、同じレーティングなら狙いの正確さ(ダーツのブレ方)は同じです。レーティングごと・組み合わせごとに4,000試合ずつ、先攻と後攻を交互にして戦わせました。
| 強さ | 稼ぐ作戦の勝率 | 15Rまでに決着した割合 | 平均得点(稼ぐ/攻め) |
|---|---|---|---|
| Rt3 | 70.1% | 1% | 179/131 |
| Rt6 | 68.3% | 12% | 310/261 |
| Rt9 | 60.3% | 34% | 373/337 |
| Rt12 | 56.0% | 60% | 417/394 |
| Rt15 | 53.3% | 77% | 431/417 |
稼ぐ作戦がどの強さでも勝ち越しましたが、強くなるほど差が小さくなります。注目してほしいのは、真ん中の「15Rまでに決着した割合」です。
クリケットは、すべての番号を閉めきって点数でも上回れば、その時点で勝ちです。でも、みんなのダーツ計算機のクリケットは15ラウンドで終わり、閉めきれなかった場合は点数の多い方が勝ちになります。
Rt3の帯では、閉めきって決着した試合はわずか1%でした。つまり99%の試合が、15ラウンド終了時の点数で勝敗が決まっていたのです。
これは計算してみると納得できます。クリケットで15〜20とブルの7つを全部開けるには、7つ×3マークで21マークが必要です。Rt3のMPRは約1.5なので、15ラウンドで取れるのは1.5×15=約22マーク。15ラウンドかけて、やっと全部開けられるかどうかという量で、そこから点数でも上回って閉めきるのは、ほとんど無理なのです。Rt3〜6くらいのクリケットは、実質的に「15ラウンドで何点取れたか」の勝負になっています。
そして、点が入るのは開けた番号に、さらに入れた時だけです。番号を開けるための最初の3マークは0点です。
こうなると、作戦の差がそのまま点数の差になります。攻め型は少しリードするとすぐ「次の番号を開けに行く」ので、そのぶん点が増えません。そのあいだに稼ぐ作戦は、開いている番号で点を積み上げ続けます。Rt3〜6の帯では、試合が終わる時点で稼ぐ作戦が平均50点ほどリードしていました。
反対に、Rt15のMPRは約3.8で、15ラウンドで約57マーク取れます。21マークで全部開けても余裕があるので、番号がどんどん閉まり、15ラウンド以内に決着する試合が増えます(Rt15では77%)。閉めきる力の勝負になるので、作戦の差は小さくなっていきます。
この結果を受けて、みんなのダーツ計算機のCPUは、攻め型・守り型以外のすべてのタイプが「稼ぐ作戦」で戦うようにしました。
| 強さ | 守り型の勝率 | 15Rまでに決着した割合 | 平均ラウンド |
|---|---|---|---|
| Rt3 | 44.4% | 5% | 14.9 |
| Rt6 | 47.6% | 75% | 13.1 |
| Rt9 | 46.3% | 98% | 10.6 |
| Rt12 | 43.6% | 100% | 8.8 |
| Rt15 | 41.4% | 100% | 7.7 |
守り型が相手の番号をすぐ閉めに行くので、試合はぐっと短くなります。Rt9では98%の試合が15ラウンド以内に決着しました。ただ、閉めることにダーツを使うぶん自分の点が伸びず、どの帯でも少し負け越しています。
| 強さ | 守り型の勝率 | 15Rまでに決着した割合 |
|---|---|---|
| Rt3 | 38.6% | 2% |
| Rt6 | 51.3% | 52% |
| Rt9 | 49.6% | 90% |
| Rt12 | 48.2% | 99% |
| Rt15 | 45.6% | 100% |
Rt6〜12あたりでは、ほぼ互角でした。決着がつきにくいRt3では稼ぐ作戦がはっきり有利で、Rt15では守り型がやや負け越しています。
今回の結果から言えそうなのは、「15ラウンドで閉めきれない試合が多いうちは、点を稼ぐことを意識すると勝ちやすい」ということです。まだ番号をなかなか閉めきれない段階なら、少しリードしたくらいで稼ぐのをやめず、開いている番号でもう一押し点を取りに行くのも一つの手です。
反対に、閉めきって決着する試合が多くなってきたら、作戦よりも「閉める力」そのものが勝敗を分けるようになります。
今回の「攻め型」「守り型」は、みんなのダーツ計算機のCPU対戦で実際に対戦できます(タイプを選べるのはプレミアム会員のみ)。同じ強さでも作戦の違う相手と戦うと、クリケットの駆け引きが少し見えてくるかもしれません。
集計方法:レーティング3・6・9・12・15の各帯、組み合わせごとに4,000試合(先攻・後攻は交互)。合計60,000試合。2026年10月14日に計算。
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